「よし、関連資料をどんどん追加して、最強の知識ベースを作るぞ!」
Googleの新しいAIツール「NotebookLM」の可能性に気づいたあなたは、きっとそう意気込んで、様々なソースの追加を試みたことでしょう。
しかし、順調だったリサーチが、ある瞬間、予期せぬ壁にぶつかって止まってしまう。
突然表示される「ソースの上限に達しました」というメッセージ。あるいは、社内のGoogleドキュメントを追加しようとした瞬間に表示される、謎の「403エラー」。
「こんなに早く上限に達するなんて、使い物にならないじゃないか…」
そんな風に、ツールへの大きな期待が、失望に変わりかけていませんか?
大丈夫です。その壁にぶつかったのは、あなたが誰よりもNotebookLMを本格的に使いこなせている、何よりの証拠です。そして、その“見えない壁”の正体と、それを乗り越えるための戦略的な使い方さえ知れば、あなたのリサーチは再び、力強く前進し始めます。
この記事は、そんなあなたのための、徹底トラブルシューティングガイドです。
【最大の壁】あなたがぶつかったのは、NotebookLMの2つの「上限」です
NotebookLMがソースを追加できなくなる最も一般的な原因は、あなたがツールの“見えない上限”に到達してしまったことです。無料版のNotebookLMには、以下の2種類の制限が設けられています。
上限1:ソースの「数」の上限 → 解決策は「ノートブックの分割」
まず、1つのノートブックに追加できるソースの総数には上限があります。
- 原因:
2025年現在、1つのノートブックに追加できるソースは、最大50個までとされています。(※この上限は将来変更される可能性があります)
あなたが21個目のソースでエラーに遭遇した場合、それは過去のバージョンでの上限値かもしれません。いずれにせよ、上限が存在することは間違いありません。 - 解決策:リサーチテーマごとに「ノートブックを分割する」
これは、最も賢明で、戦略的な解決策です。「競合A社に関するノートブック」「市場調査データに関するノートブック」「技術動向に関するノートブック」というように、リサーチのテーマごとに、複数のノートブックを使い分けるのです。
これは、単に上限を回避できるだけでなく、AIの回答精度を高める上でも非常に有効です。AIに与える情報のテーマが絞られている方が、より専門的で、的を射た回答が返ってきやすくなるからです。
上限2:ソースの「文字数」の上限 → 解決策は「ソースの分割」
次に、ソースの総量(文字数)にも上限があります。
- 原因:
1つのソースあたり約50万語、1つのノートブックあたり約500万語という、膨大な上限が設定されていますが、数百ページに及ぶ詳細なレポートや、書籍を丸ごとPDF化したものなどを複数追加すると、この上限に達する可能性があります。 - 解決策:長大なソースは、重要な部分だけを抜粋する
例えば、200ページの調査レポートPDFがある場合、それをそのままアップロードするのではなく、「第3章の市場分析データ」と「第5章の将来予測」というように、あなたにとって本当に重要な部分だけを、別のファイルとして分割・抜粋してからアップロードしましょう。これにより、文字数を節約できるだけでなく、AIに「ここが重要だよ」と教えてあげることにもなり、分析の精度が向上します。
【種類別】ソースが追加できない原因と解決策
「上限にはまだ達していないはずなのに、特定のソースだけ追加できない!」
そんな場合は、ソースの種類ごとに、特有の原因が隠れているかもしれません。
ケース1:「Googleドキュメント」で403エラーが出る
- 原因:
これは、あなたが追加しようとしているGoogleドキュメントの「閲覧権限」を、あなたの今ログインしているGoogleアカウントが持っていないことが、ほぼ100%の原因です。
「403エラー」とは、サーバーが「あなたが誰かは分かりますが、このファイルを見る権限を、あなたは持っていません」と伝えてきている、アクセス拒否のエラーなのです。 - 解決策:Googleドライブ上で、ドキュメントの「共有」設定を確認・変更する
そのGoogleドキュメントのオーナーに連絡を取り、あなたのGoogleアカウント(メールアドレス)を「閲覧者」以上の権限で共有してもらうよう、依頼してください。
ケース2:「PDF」が読み込めない、エラーが出る
- 原因:
この場合、あなたのPDFファイルが、AIには読めない「画像PDF」である可能性が最も高いです。これは、PDFの中身が文字データではなく、写真やスキャンした画像だけで構成されているファイルのことです。 - 解決策:
「画像PDF」を、AIが読める「テキストPDF」に変換する必要があります。詳しい診断方法や、Googleドライブを使った具体的な変換手順については、当サイトのこちらの記事で、手取り足取り解説しています。 → (ここにnotebooklm-pdf-not-workingの記事へのリンクを挿入)
ケース3:「WebサイトのURL」を追加しても「ソースが空です」と表示される
- 原因:
NotebookLMの情報収集ロボットは、人間のようにログインしたり、複雑なWebサイトを完全に表示させたりすることができません。そのため、ログイン必須の会員制サイトや、JavaScriptを多用して動的にコンテンツを表示するサイト(一部のニュースサイトやSNSなど)は、うまく読み込めないことがあります。 - 解決策:
最も確実な回避策は、一手間かけることです。ブラウザでそのWebサイトを表示し、必要な部分の文章を手動でコピーして、Googleドキュメントに貼り付けます。そして、そのGoogleドキュメントを、NotebookLMのソースとして追加しましょう。
【基本に立ち返る】その他の原因とチェックリスト
上記のいずれにも当てはまらない場合は、より基本的な問題が原因かもしれません。
- チェック1:ブラウザのキャッシュや拡張機能 → シークレットモードで試す
- チェック2:インターネット接続 → 安定した環境で再試行する
- チェック3:Googleアカウントの認証 → 再ログインしてみる
- チェック4:NotebookLM側のサーバー障害 → 公式ステータスページを確認する
【お悩み相談室】NotebookLMの「ソース」に関する”よくある質問”
Q1. ソースを削除するにはどうすればいいですか?
A1. NotebookLMの画面左側にあるソースの一覧で、削除したいソースの横にあるメニューアイコン(︙)をクリックし、「ソースを削除」を選択すれば、簡単に削除できます。上限に達してしまった場合は、不要なソースを削除して、新しいソースを追加するスペースを作りましょう。
Q2. 一度追加したソースを、後から更新することはできますか?
A2. いいえ、現在の仕様では、一度追加したソースの内容を、NotebookLMが自動で同期・更新することはありません。もし元のGoogleドキュメントやPDFを更新した場合は、古いソースを一度削除し、新しいバージョンのファイルを再度ソースとして追加し直す必要があります。
Q3. スマホアプリ版で、ソースが追加できないのですが?
A3. NotebookLMの機能は、Web版(PC)が最も充実しており、モバイルアプリ版では一部の機能が制限されている場合があります。複雑なソースの追加や管理は、PCのWeb版で行うのが最も確実です。
Q4. 追加したソースの著作権は、どう扱われますか?
A4. あなたが追加したソースの著作権は、あなた(または元の著作権者)に帰属します。Googleがその内容を、他のユーザーへの回答生成や、AIモデルの学習に無断で利用することはありません。あなたのノートブックは、あなただけのプライベートな空間として保護されています。
まとめ
NotebookLMでソースが追加できなくなる原因は、バグや故障ではなく、そのほとんどが「上限」か「権限」という、明確な「仕様」によるものです。
ツールの「制限」を正しく理解し、ノートブックを分割したり、ソースの形式を整えたりと、賢く付き合っていくこと。それが、このパワフルなツールを使いこなす鍵となります。
壁の乗り越え方をマスターしたあなたなら、NotebookLMを、あなたの思考を拡張する、真の「第二の脳」として、存分に活用できるはずです。
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無事にソースを追加し、あなただけの強力な知識ベースが完成したら、次はその分析結果をチームや友人と共有したくなるはずです。しかし、NotebookLMの共有機能には、Googleドキュメントとは全く違う、少し特殊な「作法」があります。「共有ボタンがない!」と慌てる前に、こちらの記事で、そのスマートな共有方法をマスターしておきましょう。



